讃岐の伝統工芸

 讃岐の漆芸は人情細やかな、讃岐の人柄と瀬戸内の気候風土から生まれた郷土色豊かな漆芸であります。

 松平頼重公が水戸を離れ、讃岐高松拾貳万石に封じられてから、大変盛んになり、日本漆芸史上に不朽の名を留めるまでになりました。漆器界の始祖と仰がれる漆聖、玉緒象谷を始め文寄堂、黒斉、蘭斉、後藤太平等の先覚者から今日に受け継がれ、一つ一つ人間の手によって真心こめて研鑚を重ね、其の極致に達した漆器で、機能と格調の高さは日本的な暖かな味とみずみずしさを保ち、いつまでも広く長く御愛用頂けるものと確信いたしております。

蒟醤(きんま)

 漆を厚く塗り重ね、これに適当な模様をきんま刀で彫刻し、その堀子値の中へ堅く練った色漆をへらですりこみ平面とし、乾かしてから、研炭(とぎすみ)で模様が鮮明になるまで研ぎ出したものです。

後藤塗(ごとうぬり)

 朱漆で柄を置き、その上に何回も捌け漆を塗り重ね、朱の濃淡で色彩の調和を表現し、品よく、面よく、角もなく、ざんぐりした風流人的な手法です。

富貴塗(ふきぬり)

 天然の木目を生かした漆手法で、木地に直接天然漆(生漆)を何回も摺込み、自然に艶が出て仕上がったものです。

独楽塗(こまぬり)

 古代中国より伝わった、独楽を図案化したもので、天然木をくり抜いた木地に、大胆な丸の色彩を取り入れた独特な楽しさを表現した漆塗りです。

象谷塗(ぞうこくぬり)

 さぬきの生んだ漆聖、玉楮像谷から伝わる漆物で、木肌を雄大に荒し、深くえぐられた部分に、漆でマコモを止め、黒の陰陽で雅錆を巧みに表したものです。

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